McDRYの特長

 1. McDRYはどの様なコンセプトで設計しているか
   

防湿包装(M.B.B)開封後のICパッケージやLED等のMSL部品をIPC/JEDECの管理湿度5%RHで防湿管理し、実装時のパッケージクラックをゼロにする事です。

その為にMcDRYは常時(24h)10年以上連続して庫内湿度を5%RH以下に保つ様特別設計したICパッケージやLED及びプリント基板等のMSL部品専用ドライボックスです。
   

McDRYの庫内湿度値は湿度計の表示値のみで管理しています。よってIPC/JEDECに準拠した湿度5%RHの湿度管理を行う為には湿度5%RHの表示値が正しい値でであるか確認しなければなりませんので、McDRYは年1回湿度計の校正を湿度5%RHのポイントで校正して頂く様お願いしています。
   

ICパッケージやLED等のMSL部品を静電気破壊から守る為の静電気対策は、IEC-61340-5-1に準拠しております。
   


 その為のドライボックス品質とは
(1) IPC-JEDECの管理基準値湿度5%RH以下の低湿度を、連続して10年〜15年間維持すること。
(2) 万一の停電時でも、庫内を低湿度に保ち、庫内の湿度値を表示すること。
(3) 湿度計を校正する際、「取りはずし」「取付け」が容易に出来ること、又、校正の際に湿度計を取りはずしても、ドライユニットが低湿度維持の為に単独で動作すること。
(4) 静電気対策は、IEC-61340-5-1に準拠していること。


 2.  上記の仕様条件をクリアする為の品質と機能
(1)

低湿度を長期間維持する機能
McDRYはICパッケージやプリント基板等のMSL部品専用ドライボックスですから扉の開閉時上昇した庫内の湿度を素早く下げる機能と、長時間低湿度を維持する機能を持っています。除湿装置の吸着剤にゼオライトを使用し、一般のドライボックスの約2〜3倍の水分吸着面積を持ち、対流板やファンによる循環機構により庫内全体を低湿度に保ちます。

そして、万一の停電時でも、水分吸着面積が大きいので、庫内の湿度を長期間低湿度に保つ事が出来ます。

   
(2) 長寿命ドライボックス(10年〜15年)
ICパッケージを低湿度で管理するドライユニットは一日24時間運転し、さらに10年以上連続運転するので、長寿命の設計が要求されます。

一般的にドライボックスの寿命には、ドライユニットの「再生時」「吸着時」を切替えるダンパー部の不具合が影響します。
McDRYは、このダンパーの切替え機構に形状記憶合金コイルの通電加熱方式を採用しているので、ダンパーがゆっくり切替わり、ダンパーに衝撃をあたえません。よって、切替え時の騒音は無音です。

又、McDRYのドライユニットは低湿度維持のみにしか動作しません。
その結果、ダンパーの切替え回数が少なくなり、ダンパー部の寿命が長くなります。


 3.  庫内の湿度表示
McDRYの湿度計の電源は電池です。よって、万一の停電時でも庫内の湿度を表示致します。
(1) 表示パネルは大きくて見易く、画面は、3.3cm×4.7cmです。
(2) 湿度計のセンサーの精度は、1〜70%RHにおいて±3%RHです。
(3) 湿度計校正時の取りはずしは、ローレットツマミ、2ヶをまわすだけで簡単に取りはずしが出来ます。
(4) この湿度計は、ドライユニットと連動していないので、湿度計を校正の為に取りはずしても、ドライユニットは常時低湿度維持の為に単独で動作します。
 



 4. 湿度計の校正
(1) 庫内の湿度値は湿度計での表示値でしか判断出来ません。よって表示値が正しい湿度値がどうか確認の為、ISOの校正対象品として、年1回の校正をお願いしています。
(2) 湿度計の校正は、弊社でも行っており、校正証明書も発行しております。

McDRYの湿度計は、IPC-JEDECの管理基準湿度5%RH以下を管理する為の湿度計ですので、弊社の校正点は、湿度1%、5%、60%で校正しております。
そして校正の為の基準湿度計は、FINASで校正したものを使用しております。


 5. 庫内空気の循環機構
McDRYが庫内の低湿度を長時間維持する為に、下記の様な空気循環機構となっております。


ドライユニット内の対流板やファンにより、低湿度空気がドライユニットの下部から上部に抜け、庫内をまんべんなく循環します。
よって、棚板上に目一杯品物を載せても庫内湿度を均一に保つ事が出来ます。



 6. ワンタッチドアロック機構 (地震対策)
McDRY(HMDXUMCタイプ)はワンタッチでドアをロック出来ます。

よって、万一の地震時でも扉がロックされてるので、保管品が庫外に飛び出す様な危険は一切ありません。


 7. 静電気防止対策
McDRYは、IEC61340-5-1に準拠しています。

静電気放電は、電子デバイスを破壊します。
よって、これを防止する為に下記の様な対策を実施しております。

(1) 静電気を帯電した人体の手がドライボックスの取手をさわります、この時静電対策を実施していない場合は、静電気が瞬時に流れて電子デバイスを破壊するか、静電気が本体にたまるか、又は、帯電したままの手先が直接ICパッケージに触れるかの3通りです。
 

イ.

静電気対策は取手(金属取手)→アース間を105Ω〜109Ωにする事が、最も大事です。
 

その為には、取手を金属性として金属取手とアース間を導通とし、その間に1MΩ(106)の抵抗器を設置します。この様な静電気対策によって帯電した人体の静電気を取手にさわるだけで、ゆっくりアースに放電させる事が出来ます。

ロ. 本体、棚板、扉は、導電塗装です。
ハ. 棚板と本体→アース間を、約1MΩとしています。

 

上記の様な静電気対策を実施する事によって、帯電した人体の高電圧静電気が、瞬時にドライボックスを流れる事を防止します。

又、本体、棚板等に導電塗装を施行しているので、棚板や本体等で静電気が発生しません。
よって、静電気による電子デバイスの静電気破壊の心配は一切ありません。
 

IEC 61340-5-1による抵抗値
 表面抵抗      1×104 ≦ Rp ≦1×1010
 EPAグランド抵抗 7.5×105 ≦ Rg ≦1×109



McDRY本体の抵抗値測定方法

 

棚板間
  棚板←→扉間

棚板←→アース間   扉←→アース間


 8. McDRYの履歴
エクアールシー株式会社(McDRY)は、ICパッケージを低湿度で管理するドライボックスのパイオニアであり、かつ専門メーカーです。

弊社は1990年、プリント基板上に表面実装するICパッケージの低湿度保管庫として、McDRYという名称で湿度5%RHのドライボックスを市場に提供し、現在に至っています。

この間、大手の電気メーカーの大半にリピート品として納入し、30数年間で約 13,000台の納入実績があります。
尚、長期間の運転実績としては、約15年〜20年前に納品したMcDRYが現在も湿度5%RH以下を維持し、ICパッケージの保管に役立っています。

納入実績の詳細は、別途納入実績覧を御参照下さい。尚、関連会社でMcDRYの運転状況をお聞きしたい場合は弊社に御問い合せ下さい。お客様と連絡をとり、コンタクト出来る様に計らいます。





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